4タイプの非常トイレを比べてみる
【知っておきたい】災害時のトイレ事情で書いた通り、大震災が起こるとライフラインが停止し、家庭の水洗トイレが使えなくなる可能性が非常に高いです。そんな時のために備えたいのが、非常トイレです。
今後来るであろう大震災に備えて、非常用トイレを備蓄しているご家庭も増えてきました。しかし備蓄するだけで、実はまだ使ったことがないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、市販の非常用簡易トイレの吸収性や処理の仕方、使い勝手についてまとめました。
4種類の非常用トイレはどれも、便器にセットすることを前提にしています。実際の便器内には水が貯まっていますので、その水に触れないために、便器カバーに大きなビニール袋をはめ込んでテープ止めしておきます。便器をカバーしたビニール袋はそのまま外さないで、都度非常用トイレをその上にセットして使用するといいでしょう。これは、災害時に非常用トイレを使う基本形として頭に入れて置いてください。非常用トイレをセットして実際に成人の1回の平均的な尿量の色付きの水280mlを入れて使用感をまとめました。
ポリマーシートタイプ
使用方法
汚物袋1枚+吸水ポリマーシート2枚を使用します。便器カバー用として、外側に汚物袋をセットします。セットした汚物袋の底にポリマーシートを1枚セットします。排泄後に上からポリマーシートをもう1枚かぶせてサンドイッチ状にします。
所感
便器カバー用の外側にセットする汚物袋まで配慮されている点がいいです。ポリマーシートそのものがしっかり吸水してくれるのは嬉しい点ですが、排泄後にシートをかぶせないといけないのが、汚物を見ることになって心理的にちょっと抵抗があります。汚物袋1枚で3〜5回使用可能ということで、汚物袋も大きめのサイズになっています。ただビニール袋が大きすぎてゴミが多くなりそうなのが懸念点です。
粉末凝固剤タイプ
使用方法
使用するのは排便収納袋+抗菌性凝固剤(高分子ポリマー)1袋です。便座に排便収納袋をセットして排泄後に、粉末凝固剤を振りかけると凝固します。使用後は自治体指定のゴミ袋などに入れて廃棄します。
所感
添付の排便収納袋は、浅めの横長タイプとなっています。浅目ですから排泄物の重さでずれてくるかもしれません。便座からはがれないようにテープ止めしておくとよいでしょう。シートタイプとはちがい、直接ビニール袋に排泄するので、ジョロジョロという排泄音が嫌悪感を増したり跳ねたりするかもしれません。凝固剤をかけてから30秒ほどでスピーディに固まりましたので、その部分は安心です。
タブレットタイプ
処理用ビニール袋+タブレット型処理剤1袋(50グラム)を使用します。処理用ビニール袋を便器にセットし、タブレット1袋を入れて排泄します。排泄後は処理用ビニール袋の口を結んで一般ゴミとして廃棄します。
所感
粉末凝固剤タイプの袋よりも少し深めの浅型タイプで、黒いビニール袋です。黒くて中が見えないビニール袋をセットしていたのはこれだけで、中身が見えない配慮というのは心理的にポイントが高いですね。便器にはめてみて、このビニール袋のサイズ(65センチ×49.5センチ)がいちばん最適だと感じました。
かなり大粒のタブレットを入れるので、排泄物がはねる点が気になりました。泡立ち固まるまでは早く1分ほどで固まりましたが、固まるまでの過程(変化の様子)にやや抵抗を感じました。
吸水パックタイプ
使用方法
ビニール袋の底におむつのような吸水シートが装着されている吸水トイレパック1枚を使用。便器やバケツにセットしてそのまま使います。使用後は口を縛って捨てます。1回分の吸収容量は500cc(尿2〜3回分)です。
所感
凝固剤やシートを投入する手間や、投入する際に排泄物を見る不快感やビニールの内側に触れる心配もないので、実はこれがいちばん処理的に楽そうです。購入する前は、凝固剤やシートがあった方がトイレとしては充実していると感じますが、別封になっていると、落としたり紛失した時に困るので、一体型は安心です。
まとめ
テスト結果のように、粉末凝固剤やタブレット、吸水ポリマーシートなど、非常用トイレにもいろいろなタイプがあります。吸水性に関してはどれもそう大差はありませんでしたので、心理的な抵抗感や備蓄の箱サイズなどを考慮して選ぶとよいかと思います。やはり実際に使うとなると、なるべく汚物を見ない・さわらないでスマートに捨てられる処理方法のものがいいですね。
たとえば1週間の被災生活に対応すると考えると、大便と小便とで使い分けするのもひとつの方法です。1日に数回の頻繁な小便は新聞紙などで対応し、大便は凝固剤やポリマーシートを用いるのがいいでしょう。
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