ニッポンが“危ない” 巨大地震編
池上彰さんが司会を務める『池上彰のニュース2016総決算!今そこにある7つの危機を考える!ニッポンが“危ない”』が、11月23日に放映されました。その中で巨大地震について、見逃してはいけないポイントを池上氏が指摘と検証。さらにその対策までわかりやすく解説しました。
11月21日の早朝にも福島県沖でマグネチュード7.4の地震が発生しました。今年はその前の4月14日に熊本県大分件を中心震度7、その2日後に再び震度7の地震が発生しました。同じ場所で2回震度7の地震が起き、前例のない災害となりました。熊本地震の教訓をもとに地震の行動チェックを池上さんが解説しました。
地震行動チェック その時アナタならどうする?
答えられて当然という大変やさしい問題を出題。みんなでチェックしましょう。l
チェック1
一戸建ての住宅。2階で眠りについていると、大きな地震が発生しました。その時あなたならどうする?
A:そのまま2階にいる
B:出口に近い1階のリビングに移動する答えはA
熊本地震では1階部分が押し潰されるケースが多く見られました。2階にいたほうが助かる確率が高いと言われています。参照元:11月23日放送『池上彰のニュース2016総決算!今そこにある7つの危機を考える!ニッポンが“危ない”』
チェック2
倒壊した家屋に足を挟まれ、長時間身動きができない知人を発見しました。その時あなたならどうする?
A:そのままにして救助隊の到着を待つ
B:柱を持ち上げて助け出す答えはA
長時間重いものに挟まれると血流が止まった部分には毒素が発生することがります。急に血流が戻ると毒素が体内を巡り腎不全などを起こす可能性があり注意が必要です。参照元:11月23日放送『池上彰のニュース2016総決算!今そこにある7つの危機を考える!ニッポンが“危ない”』
熊本地震では耐震基準を満たした家が倒壊してしまった
1924年に関東大震災をもとに一番最初の耐震基準が作られました。その後大きな地震が起きるたびにこれでは不十分だ、もっと良くした方がいいと改訂を重ね現在の耐震基準になりました(強化新耐震基準)。では現在の耐震基準を確認しましょう。
・震度5強程度の地震ではほとんど損傷しない
・震度6強~7の大規模地震で倒壊しない
・地盤調査をする
・柱や梁等の接合部分には金物を施工する
・耐力壁をバランスよく配置する
今回熊本地震で最も被害の大きかった益城町では200年以降の新しい耐震基準を満たしていた309棟のうち、倒壊崩壊=7棟、大破=12棟、計19棟が甚大な被害に遭いました。大きな被害に遭わないように基準を作っていたにも関わらず被害が出てしまいました。いったいどうしてなのでしょうか。
建物の倒壊は「直下率」が大きい
熊本地震の教訓として覚えておきたいこと「直下率」です。「直下率」とは1階と2階の柱や壁が同じ位置にある割合のことです。
実際に番組では2つの模型で比較検証しました。Aが1階と2階の柱・壁の位置が同じの直下率の高い家。Bが1階と2階の柱・壁の位置がずれている家。使われている材料は同じで揺らしてみると、Bはあっという間に倒壊していました。直下率が低いと倒壊しやすいことがわかりやすく解説しました。
直下率は1階と2階の柱や壁の位置が一致する割合が柱:50%、壁:60%異常が望ましいとされていますが、現在の耐震基準には基準が盛り込まれていないのです。
熊本地震で耐震基準を満たした家が倒壊した原因は柱の固定が不十分の可能性や、地盤の弱さだけでなく、直下率の低さが原因のひとつではないと指摘されています。これから家を建てようとしている人やすでに建っている家は住宅メーカーに相談すれば直下率は診断してもらえます。直下率が十分でなければ補強する必要が出てきます。心配だったら相談しましょう。
熊本地震では「避難所が使えない」があった
チェック3
地震発生後に避難する。その時あなたならどうする?A:公園など近くの広場に避難する
B:体育館などの避難所を捜して避難する答えはA
一時的な避難で身の安全を守り、様子を見るための場所とされているのが公園などの一時避難場所。一方体育館などの避難所は災害で自宅生活が困難になった時生活を送るための場所のことです。参照元:11月23日放送『池上彰のニュース2016総決算!今そこにある7つの危機を考える!ニッポンが“危ない”』
熊本地震では熊本県の指定避難所の70箇所近くが閉鎖(一部閉鎖)され使用できなかったそうです。なぜそんなことが起こったのでしょう?益城町総合体育館の例を取り、「非構造部材」(窓ガラス・バスケットゴール・ピアノ・天井材」が壊れてしまい、避難所として使えませんでした。またいつ起こるかわからない大地震に備えて建物以外の部分の耐震対策も進めていかなくてはなりません。
熊本地震ではSNSの普及が生かされた
熊本地震では電話回線が不通になっても、TwitterやLINEで安否の確認や情報の入手ができるようになりました。これは過去の地震と大きく違うところです。
東日本大震災をきかっけに生まれたSNSサービスとはなんでしょう?
正解は既読機能です。
参照元:11月23日放送『池上彰のニュース2016総決算!今そこにある7つの危機を考える!ニッポンが“危ない”』
既読機能とは受信者がメッセージを読んだことを自動で送信するサービス。返事がなくても読んだことが伝わるようになっています。2011年6月にLINEのサービスが開始されていますが、LINEじゃ東日本大震災の被災者を見て急遽既読機能を加えたといいます。相手が無事かどうかがすぐわかり、「大丈夫?」と送って今返信できるような状況ではないだろうけど、無事がわかって安心したという声が聴かれたそうです。
デマが広がり人々に混乱を招いた
熊本地震では「ライオンが檻から逃亡した」とツイートされ、警察には「怖くて避難ができない」という苦情が100件以上入り混乱を招きました。デマをツイートした神奈川県に住む20歳の男性は「偽計業務妨害の疑い」で逮捕され、犯罪だと認定されました。池上氏は色々な情報が入ってくる中で、デマを見破る方法を解説しました。
・発信元が認証アカウントかを確認
公式アカウントであると認定されている
・公式な情報源を引用しているか
・情報発信した人が過去に悪質なツイートをしていないかを確認
色々な情報が錯綜する中でこの3つの方法で真偽を見極めることができます。震災時は情報が多いので、いかに情報を見極める力が求められています。
いかがでしたか?今回の池上さんの番組は大変参考になりましたね。熊本地震からの教訓はとても大きいものがありました。皆さんも参考にしてください。
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