昔の防災と今の防災の違いとは
常識というものは時代と環境で大きく変わると言う話になります。
防災に関して言うと、最近まで当たり前に言われていた事が、非常識とされる事もあると言う事です。
何も防災に限った話ではないですが、大多数の人が「正しい手法」と信じ込んでいたものが実は専門家の見解により覆されると言う事は往々にしてあり得ます。
代表的な所では歯磨き、昔は食後すぐに歯を磨く事が良いとされた時代もありましたが、最近では歯を痛めると言う理由で食後すぐの歯磨きは敬遠されています。
これを防災に置き換えると、具体的にどう言った点が今では「非常識」になるでしょうか。
地震直後は机の下に潜り込まない?
学校の避難訓練等でも、地震があった際はまず机の下に隠れましょうと言う物があると思います。
揺れが収まるまでは頭上からの落下物をケアしましょうと言うのが大元ですが、実はこれ、最近では良しとしない風潮もあります。
大きな転換期は3.11の東日本大震災だと思いますが、あまりにも大きい地震が来た際には家屋や建物の倒壊が顕著になります。
一説には、震度6以上の揺れになると耐震構造の建造物でも崩れる危険性があるため、地震発生直後にそこに留まるのは危険と言う事ですね。
結果的に、先ずは出口を目指しましょうと言う意見も多く出てきました。
火元の消火は最優先では無い
もう一つは、昔だと地震が発生した際はガスコンロ等を止めに行きましょうと言われていました。
消火する事で、その後の二次災害、延焼を防ぐ目的があるからです。
しかし、これも最近では揺れが収まるまでキッチンの火元には近づかない方が良いと言われていますね。
その理由は火傷を防ぐためです。
大体火に掛かっている物は熱い汁系の物、もしくは油です。
まだ揺れている最中にそれらに近づくと、鍋やフライパンから飛び出したそれらを被り火傷する危険性が高いです。
よって、一旦は揺れが収まるまで近づかないようにし、その後適宜消火しましょうという物ですね。
車に乗っていた際の対応の仕方
自動車を運転中に大きな地震に遭遇したら、先ずは左側に寄せて路肩に停車し、キーは指したままで歩いて避難しましょうと言われてきました。
これも非常識となっています。
理由は、交通量が多い所で皆が左側路肩に駐車してしまうと、それだけで後に救急車両の通行の妨げになってしまうんですね。
正しくは、地震を確認したらスピードを落とし一旦は左側に停車します。ここまでは同じと言えるでしょう。
決定的に違うのはその後ですが、可能な限りゆるいスピードで安全だと思われる広い場所まで移動します。
大きな駐車場などを発見したら、そこに駐車しましょうと言う事ですね。
大事なことはこの際の車の流れを気にする事です。
あくまで自動車の交通が流れている様であれば、少し遠方まで進む様にしましょう。
車を降りる際は、紙などで連絡先を置き、出来れば車検証は持ち出して行きましょう。
以上の様に、防災も時代によって変化する部分があります。
昔は当たり前だった事も今では良しとされない事も多々ありますね。
最新の防災情報を意識して得る事も、有事の際には効力を発揮します。