備蓄した食品を定期的に消費し、食べた分だけ買い足していく方法
先の震災の時、万一のために備蓄しておいた食料品が賞味期限切れで使いものにならなかった、という話を数多く聞きました。そんな教訓をふまえて、多くの専門家が推奨している非常食の備蓄方法が「ローリングストック法」。いざという時のための備えを、もう一度見直してみませんか。
食べながら備えるローリングストック法とは?
ローリングストック法は、言葉の通り、ストック(備蓄)をローリング(回転)すること。備蓄した食品を定期的に消費し、食べた分だけ買い足していく方法です。従来型の非常食はバリエーションが少なく、決しておいしいものでもありません。
しかし、備蓄した食品をふだんの食卓にのせるなら、おいしいものを選ぶ余裕もありますし、どうすればおいしく食べられるかをシュミレーションすることも可能でしょう。
いざという時の備えは、時間の経過とともに非日常のものとなり、意識の中で風化していきます。大切なことは、「もしも(非日常)」を「いつも(日常的に)」意識すること。非常食を日常的に使い続けることで、いざという時に生きる、本当の備えになるのです。
賞味期限は1年で充分
ローリングストック法の具体的な備蓄テクニックをご紹介しましょう。
災害時はライフラインが止まり、食料や支援物資が届くまでに数日を要するといわれ、72時間は自力で生き抜くことが求められています。備蓄すべき食糧の量的目安は3日分。最低、「朝晩の2食×3日分×家族人数分」が必要です。NPO法人プラスアーツの永田宏和さんは、さらにもう1日分(ひとり当たり8食)の備蓄を推奨しています。
8食×家族人数分を準備したら、毎月1回『非常食を食べる日』を決めます(例えば、第3日曜日の夕食といったように)。この日は、家族で食卓を囲み「これは冷たいままでも食べられる」とか「少し味付けが濃い」など、評価することも大切です。肝心なことは、我が家の非常食に採用するのか、それとも他の食品に替えるのかを判断すること。
そして、次の週末までにはまた8食分になるよう買い足して補充する。これを8ヵ月繰り返すことで、すべての食品がきれいに入れ替わることになります。そう、賞味期限は1年あれば充分なのです。
一般的に、非常時のために備蓄しておく食品は、賞味期限が3~5年。水や熱源なしで、そのまま食べられるものが主流です。賞味期限が3年以上のものとなると、かなり限られた範囲の中から食品を選ばなければなりません。
しかし1年以内でもいいとなると、今日の食品加工技術をもってすれば選択の幅はかなり広がります。レトルトやフリーズドライ、缶詰などなど…。月1回の「非常食を食べる日」は、決して苦痛の日ではなく、個々人が好みの非常食に舌鼓を打つ楽しい食卓になるかもしれません。
水や卓上コンロも同じ考え方
水の備蓄についても同様です。水の備蓄の目安は、1日:3L×3日分×家族人数分。4人家族なら36Lとかなりカサバリますが、こちらも定期的に消化して1年で入れ替わるようにすると、市販の飲料水で備蓄可能です(市販の水も賞味期限は1年です)。一般家庭にも最近普及し始めているウォーターサーバーは、定期的にデリバリーしてくれるだけでなく、タンクを少し多めにすることで循環しながら備蓄することができます。
また、前述の永田さんは、卓上コンロとガスボンベの準備も推奨しています。これがあれば、調理のレパートリーが増えるといいます。ガスボンベは、1本で約65分間燃焼させることが可能。家族の人数にもよりますが、常に数本を備蓄しておくとよいでしょう。
参照記事:http://www.muji.net/
画像出典:http://lohaco.jp/
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