由布院の例 被災後も旅館の営業情報を積極的に発信
鳥取県中部で震度6弱を観測した21日以降、県内の観光客が激減しているそうです。県によると、24日までの4日間で少なくとも8357人分の宿泊がキャンセルしています。被害のない県西部や東部の観光スポットでも来場者が半減し、関係者は風評被害の広がりを懸念しています。
世界有数のラジウムの含有量を誇る三朝町の三朝温泉の旅館協同組合によると、例年は秋の観光シーズンで、加盟する25旅館はほぼ満室になりますが、25日までに計約4500人分の予約が取り消され、利用者が4割程度に落ち込む旅館もあるそうです。広田発事務局長(62)は「設備に問題はない。お客さんに戻ってきてほしい」と話しています。
参照:http://this.kiji.is/
地震の被害のない地域でもキャンセルが発生しているとは、「鳥取地震」と呼ばれているため、鳥取県全体で地震が発生したと思われているのでしょうか。また21日の震度6弱以降も余震が続いているので、同じ鳥取県だとまた大地震が来るかもしれないと心配する声も少なくありません。
熊本地震で被害 大分の由布院の例
熊本地震の時も観光地では宿泊施設のキャンセルが続き大打撃を受けました。大分県の有名観光地の「由布院」を例に取ってみましょう。熊本地震と連呼されていながら、大きな揺れに見舞われたのが大分県です。中でも被害がひどかったのが由布院や別府だと言われ、2016/4/16の地震では震度6弱を記録しています。熊本に比べて圧倒的に情報量や報道露出が少ないので、実際のところ大きな被害があるのかと思いきや、実際はところどころに瓦が落ちた家、塀や石垣などが崩れた家などはありましたが、全壊している家はそれほどなかったそうです。
報道では建物被害が1100件以上となっているわりに、あちこちの家が半壊、全壊し、避難所に人があふれかえっているといった様子ではなかったようです。旅館によってはほとんど地震被害もなく、地震が起きた3日後には営業を再開していました。しかし、「湯布院の被害がひどい」といった情報から宿泊キャンセルが相次いでしまい、稼ぎ時のゴールデンウイークのキャンセルも多く、満室だったが空きが出ている状況に陥りました。
観光地では観光情報を発信できない雰囲気があった
湯布院の旅館の集客サポートや宿泊ネット販売のサポートなどをしている川嶋雄司さんによると、「メディアは被害のあったところだけを切り取って報道するため、実態以上に被害がひどいと思われているせいで、それほど被害のない旅館までもが予約キャンセルによって打撃を受けている。この現状を打破しないと地震というより観光キャンセルによって町が疲弊してしまう」と言っていました。
参照:http://blogos.com/
しかし観光情報はなかなか誰も発信しない。第一の理由は、地震被害にあった人などがいるので遠慮している雰囲気があること。被災者がいる中、被害があっている家もあるのに「うちは平気ですから観光に来てください!」とは言いにくい雰囲気があるそうです。第二の理由は旅館などが自らネットで積極的に発信しているところが少ないこと。発信が弱ければ営業再開していることなどは観光客には伝わらず大手メディアの情報しか伝わらないそうです。
うちは平気だから来て-積極的に旅館の営業情報を発信
「誰も発信しないなんてこのままではまずい」と危機感を覚えた川嶋さんは、湯布院復興を世に広く訴えるため、4/17に湯布院の現状や営業再開情報などを伝えるフェイスブックページ「湯布院ファイト!」を立ち上げ、旅館の営業再開情報を中心に発信をし始めました。
熊本地震から半年、現在の由布院はどうなっているのでしょう。風評で激減した観光客は、国の補助で旅行が割引になる「九州ふっこう割」の効果もあり、V字回復したそうです。鳥取地震に風評被害を受けた観光地も、しばらくは大変な時期かと思われますが、皆様の安全と一日も早い復興を祈りたいと思います。
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