災害だけでなく突発的な武力攻撃にも備えるには
11月13日にフランスの首都パリで同時多発テロが発生しました。
週末の夜で賑わう街中で、一般人が多数巻き添えになった凄惨な事件です。
各マスメディアでも大きく取り上げられていますが、背景にあるのは中東シリアを争点とするフランス軍のイスラム国拠点の空爆に対する報復と見られています。
犯人のグループは3つに分かれて同時に凶行に及んだことから計画的な犯行だった事は明確です。
サッカーで有名な「スタッド・ド・フランス」競技場を始めとして飲食店や劇場等多数の市民が集まる場所が標的にされました。
政治的な内容や今後の動向などに関してはここで記述する事は控えますが、重要なのはこの様な突発的な武力攻撃に対してもあらかじめ防災を施しておく事は出来るのかと言う事です。
日本でテロの標的になりそうな地域
日本単体で見るとテロが起きそうな可能性がある場所と言うのはやはり東京が一番可能性があると思われます。
首都として人の往来が普段から多く、様々な催事場や公共機関などあらゆる施設が有る事から、狙われる可能性はあると言う事です。
過去こうした海外からの武力攻撃が日本の街中で起きた事例はありませんが、危険度は0では無いと言う事は覚えておきましょう。
次いで考えられるのは観光地です。
各国の人が多く集まる場所としてはうってつけになるので、何かに対しての報復行為となるとその宣伝としては観光地を狙うのが定石になるからです。
極論にはなってしまいますが、こうしたテロ行為から少しでも身を守るには上記の様な場所には近づかない方が無難と言えるでしょう。
その他考えられるのは交通機関です。
イギリス、スペイン等でもここ10年の間に列車とそれに乗車した一般市民を狙ったテロ行為もありました。
事前に察知するのは不可能に近いほど難しいですが、あくまでこう言うケースもあると言う事は念頭に置いておきましょう。
現状この辺りの抑止になっているのは電光掲示板や張り紙などで「テロ警戒中」と言う文言を表示する物があります。
あらかじめ警戒していると表に出す事で実行前に踏みとどまらせる狙いがありますが、効果の程は多大とは言い難いかも知れません。
想定される武力攻撃の内容
一概にテロと言ってもその手法は幾つか存在します。
直接人的要因による重火器の攻撃、今回フランスのパリで起きた事件はこれに該当します。
その他としては弾道ミサイルでの攻撃や、化学剤や細菌を用いた物も存在します。
この様に攻撃内容も多岐に渡るのがテロの特徴でもあり、結果事前に防ぐことが困難になっている要因でもあります。
元々重火器の所持を認められていない日本では持ち込む事も難易度が高いですが、逆に言ってしまうとそれを使用した攻撃が突然始まった際には鎮圧するまでに時間が掛かると言われています。
場所にもよりますが、現場付近に抑止力として同じく重火器を所持した部隊が居るとは考えられないからです。
この事も踏まえると、実情日本は武力攻撃に対して堅固とは言い難いと思います。
テロ発生時に身を守るために出来る事
爆発やその後の火災を視野に入れて攻撃時にはどの様な対応が出来るか下記に書いてみたいと思います。
冒頭でも書きましたが実際どの様な形態の攻撃が起こるのかは断定出来ませんので、あくまで爆発を主軸に据えて進めてみます。
1、テーブルの下に避難する
爆発が起きた際には地震の時と同じく頑丈なテーブルの下に避難しましょう。
遠方の爆発でも破片が飛んでくる可能性もあります。
先ずは頭部をしっかり守り、その後状況を見て速やかに避難を開始しましょう。
爆発はランダムに数回起こる事も十分考えられるので、可能な限り安全なタイミングでテーブルの下より出る必要があります。
2、身動きが取れなくなった場合
震災でも起こりえますが、爆発の衝撃で瓦礫に埋もれてしまった場合は一度落ち着く事が大事です。
直後は粉塵が舞っている事が多いので、すぐに大きな声を出して助けを呼ぶのは得策ではないです。
粉塵を吸い込んでしまうと生態や気管をやられてしまうので、状況を見て対応しましょう。
この手の状況の場合、声を出して助けを呼ぶよりも近くの物を叩いて助けを呼ぶ方が良いです。
出来れば金属音が響くので、配管等の鉄製の物が叩けるのであればそちらを叩いて音を出しましょう。
人間が救難信号を出していると認知してもらうためには一定の規則のあるリズミカルな音を出す方が良いでしょう。
直ぐに助けが来なくてもあきらめずに行動しましょう。
3、火災に巻き込まれたら
一般的な火災にも言える事ですが、避難する際には煙を吸い込んでしまわないように対応します。
基本的にハンカチを濡らした物を口と鼻にあて、姿勢を低くしたまま避難します。
火気や有害な煙を吸って命を落とす人は実に多く、迅速に避難するためにはこの対応が必要になります。
もたもたしていても延焼や倒壊等が起こる場合もあるので、姿勢は低く保ったままでも速やかに避難するようにしましょう。
上記三つが爆発を伴う武力攻撃に対しての対応策になります。
なんだ普通の事と思うかもしれませんが、テロに対しての一番の対策は状況に応じてと言う事になります。
自然災害と同じくいつ何時どこで起こりうるか分からない以上、その内容も含め取るべき行動はケースバイケースです。
特に最近のテロの傾向としては比較的狭い範囲内で起こる事が多いので、速やかに安全で広い場所に避難する事も重要になります。
やはり一般市民レベルで未然にテロ自体を防ぐと言うのは非常難易度が高いので、事前に出来る事と言ったら、
- 人の多いイベントや施設は避けてみる
- 定期的に世界情勢などの情報を収集する
- 出先でも一度周りを警戒してみる
これぐらいになってしまいます。
特に海外渡航の決まっている方は注意する様にしてください。