緊急地震速報に関して知っておきたい事
よくテレビで目にする地震速報ですが、そのシステムまで知っていると言う人は少ないと思います。
該当地域だけでなく、日本のどこで地震があったか直ぐに把握できるので、知人や家族が遠方に住んでいて且つそこで地震が起きたとなるとその後の行動も迅速に取れるという物です。
今回は知っておいて損は無い地震速報に関する情報を幾つか列挙してみたいと思います。
1、地震速報のメカニズム
どの様なシステムで揺れを感知しているか、先ずはここから見て行きたいと思います。
地震は特定のメカニズムがあり、揺れは波となって地中を伝達します。
揺れは主に二種類あり、P波とS波に大別されますね。
Pは英語のPrimaryの頭文字で直訳すると「最初の」と言う意味の単語です。
この事からも分かる様に、揺れに際して最初に伝達してくる波の事をP波と言います。
もう一つのS波と言うのは、Secondaryの頭文字でこちらは「二番目の」と言う意味になります。
つまり地震は必ず最初にP波が発生して、その後S波が来ると言う事になります。
規模が大きく色々な災害をもたらすのは二番目に来るS波の方です。
これをケアするためにも最初に発生するP波を感知出来れば自ずと時間差で大きい地震が来ると言う事が分かると言う事です。
2、全国約220箇所の地震計と800箇所の高感度地震観測網
日本は地震大国ですから、いつ何時全国のどこで地震が起きてもおかしくありません。
実際こうしている間にも大小問わず地震が起きていると言ってもよいでしょう。
地震の情報を最速で発信するには、全国に配置された観測所と地震計の存在が欠かせません。
具体的には220箇所の地震計と800箇所の観測網が設置してあります。
北海道から南は沖縄の離島まで余すことなく日本列島を網羅している形に設置してあります
3、最小限の情報から地震の規模を予想する
昔から地震に対する研究が進んできた日本ですから、現在ではP波の情報からマグニチュード、震源地等様々な情報を読み取る事が出来ます。
ポイントは迅速且つより正確な情報を入手して、直ちに発信すると言う所ですね。
地震が終わった後にこれらの情報が出ても正直ありがたみはありません。
防災と言う観点ではあらかじめある程度正確な情報を得る事が重要になります。
現在ではこれらの情報はコンピューターによって精査されています。
100%正確な情報とわ行かなくても、ほぼ正確な情報を読み取る事は現在の技術で十分可能な様です。
4、情報を素早く伝達する通信技術
正確な情報を入手する事が出来てもそれを効率良く国民一人一人に発信できなければ意味はありません。
地震観測の研究はこうした通信技術の研究でもあります。
現状では一般的な地震の伝達速度数km/秒に対して、約30 万km/秒の高速で行われていますから、実質地震伝達の速度よりも大幅に上回っている事になります。
情報は電気信号となり最初に気象庁に届きます。
そこから各メディアを介して効率よく一般の方々にも届くのですが、最終的に自分たちが目にしたりアラートが鳴るのはこうした技術に裏打ちされています。
5、緊急地震速報の種類
意外と知られて居ない事ですが地震速報には種類があります。
主な所では「警報」と「予報」になり、更に予想震度が大きい物を「特別警報」としています。
緊急地震警報が発令される条件は、地震の波が2点以上で観測され、その最大深度が5弱と予想が出た際に発令されます。
震度5弱では被害が実被害が出る事も十分に想定できるので当然と言えば当然かもしれません。
対して緊急地震予報が発令される条件下としては、
・地震の発生時刻、地震の発生場所(震源)の推定値・地震の規模(マグニチュード)の推定値
・予測される最大震度が震度3以下のときは、 -予測される揺れの大きさの最大(最大予測震度)
・予測される最大震度が震度4以上のときは、地域名に加えて -震度4以上と予測される地域の揺れの大きさ(震度)の予測値(予測震度) -その地域への大きな揺れ(主要動)の到達時刻の予測値(主要動到達予測時刻)
となっております。
こちらは難しい事が書いてありますが、特筆すべきは迅速性で感知から1分程度の間に4,5回発令する事もあります。
思った以上に奥が深い緊急地震速報ですが、この様な背景を知っておくことも防災の上では大事な事になります。