世界中のネットで話題になった火災動画
昨日ネットで話題になったニコニコ動画配信者の火災動画、既にご覧になった人も多いと思います。
まとめサイトを始め海外のメディアでも大きく取り上げられ、この記事執筆時点では動画再生回数は400万とも言われています。
事故の当事者に関してここで色々書くと言う事は無いのですが、大事なのは火災の初期消火活動に関してです。
この動画に関しても様々な人の意見の中で多かったのは、「逆に火を大きくしてる」とか「もっと効率の良い消化方法がある」と言った物です。
実際自分が同じ状況になったらテンパって冷静に迅速に動けるかは正直自信ないですね。
きっと体験した人にしか分からない恐怖と焦りがあるんだと思いますが、住宅内で火災が起きた際に最初に取るべき行動はどう言った物が正解なんでしょうか。
火が付いた物を風呂場に持っていく
動画を見た人の意見で多かったのが、燃え始めたゴミ袋毎風呂場に持っていくと言う方法です。
確かに初期の火のボリュームを鑑みると可能な気もします。
一般的な家庭で一番水気が多いのは風呂場だと思いますから、理に適っているとも言えますね。
仮にサッと風呂場に持って行く事が出来ればシャワーや残り湯で消火する事は出来そうです。
懸念点としては、熱くて持てるのかどうかと言う事ですね。
思った以上に火という物は熱くて近づけません。
映画や漫画などのエンターティメントの影響で、割と簡単に捉えてしまいがちですが火は直接あたらなくても火傷します。
近づけば近づくほど熱も高いでしょう。
この時の火が付いたゴミ袋の形状なども正確な物は分かり兼ねますが、果たして人が持って行けるものかどうかと言う所でしょうか。
一通り動画を見た感じでは確かに最初に風呂場に持って行く事が出来れば被害は最小だったかなと言う印象です。
火元を覆って酸素の供給を絶つ
動画の途中で当事者の方は敷布団を持って対処していますが、ここも色々突っ込まれていました。
バサバサと火元を煽るのは逆効果です。
酸素を送ってしまっては火は強くなるばかりですから、布団の使い方としては一気に燃えているゴミ袋毎覆ってしまう方が正しいと言えるでしょう。
経験がある方も多いと思いますが、火は酸素に触れなければ鎮火します。
勇気を出して一気に大きい布団で覆ってしまうのは効果があると思います。
気を付けるべきは布団自体も燃えやすいと言う事です。
個人的な昔話ですが、布団にタバコの火種だけ落とした事がありましたが、消そうと思っても火は真綿の中をじわじわと広がる感覚で燃えて行きます。
昔の人の物言いでは「三日間風呂に布団を漬けておけ」と言うらしく、そう簡単に消えないと言う印象です。
つまり、布団で消火活動はあまりお勧めできないと言えるかもしれません。
代替になる物として燃えにくい素材の大きな布などがあれば良いですが、自分が来ている衣類に水を含ませて、それで覆うのも有りですね。
火災が起き始めた当初であれば自ずと火のサイズも小さいので、十分に対応できると思います。
窓から屋外に放り出す
近隣の環境にも大きく左右されますが、窓がありその先は庭や駐車場など他に燃え移る物が少ない場合は、そこに火のついた物を投げ出してしまうのも手です。
結果家が燃えるより全然良いと言えるでしょう。
部屋に窓が無い、放り出せるほど大きくない、窓の先がすぐ隣家等の場合はこの手法はとれませんが、環境によっては外に出してしまいそこで消化活動するのは効率の面でも良いと言えるでしょう。
なにより他の物に燃え移って延焼していくのを防ぐ事が出来ます。
今回の動画では見ていると段ボールやクローゼットのドアなどに燃え移っている様にも見えました。
こうなると火はどんどん大きくなり、それに比例して手が付けられなくなるので延焼を防ぎつつ消化すると言う事が重要になります。
あわせて部屋の中はなるべく物をスッキリ整頓しておく事も大事と言えるでしょう。
燃えやすい物が沢山おいてある部屋ではやはり危険度もアップします。
以上の事から、好ましい消化の方法として屋外に出してしまうと言う事も参考にしてみてください。
火災の初期消火活動
その他気を付ける点として、油に引火した火は水をかけると逆に爆発的に燃え広がります。
水と油の関係がそうなるんだと思いますが、これは結構知らない人も多いですね。
また自分の過去の話で申し訳ないですが、飲食店で働いて居た際にフライヤーと呼ばれる揚げ物を調理する器具がありました。
油はほぼ空になっていましたが、その器具自体に引火した事があり、最初はブスブスとくすぶっている感じの火でしたがホースで水をかけた所ボワッと燃え広がった経験があります。
その時は何とか燃え広がらず消化できたと言う感じでしたが、油関係で火が付いた際は水をかけるのは避ける方が無難です。
家庭で言うと天ぷら油などが該当するでしょうか。
この様に消化の初期活動は迅速に行動する事はもちろんですが、咄嗟の判断力も要求されます。
消火器の確認をしておく
当たり前の事ですが火災の初期消火に一番効力を発揮するのは消火器です。
この動画の方は消火器が家になかったのか使用していませんでしたが、本来であれば優先的に使う物です。
基本的に消火器の点検は半年に一回ほど行い、古くなったものは新しい物と交換してストックしておくと言う事が望ましいですが、これは大半の人がやっていないと思います。
あまりに古い消火器をいざ使うのは色々危ない予感もしますね。
可能な限り消火器の点検や、家族で住んでいるようであれば普段からどこに置いてあるか共有しておくのが良いでしょう。
少しでも火元が大きくなってきたと感じたら消火器を持ち出す位の感覚で良いと思います。
以上家庭内での初期消火活動に関して書いてみましたが、動画を見ると火が広がるのはあっという間です。
延焼を迅速に防ぐためにも効率良く行動しましょう。