聞こえない?うるさい?地域の防災無線

あなたの家から聞こえてる?それともうるさい?

賛否両論ある防災無線。
インターネットで”防災無線”と検索しようものなら、予測の検索ワードに”迷惑”、”うるさい”、”騒音”などとネガティブなワードが並び、官製騒音公害などといわれております。
また、防災無線のスピーカーから遠い地域にお住まいの方から、”複数のスピーカーから輪唱の様に聞こえるために何を言っているのかわからない”、”音が届かないために聞こえない”といった声もありました。
防災欠かせないはずの防災無線、なぜこんなにも嫌われ者なのでしょうか。

 

その情報、本当に緊急?過剰な情報発信

 

◆毎日定時の放送

一日のうちに、定刻を知らせる放送があります。
昼の時報や、子供の帰宅と防犯を促す放送などです。
有益な情報ではあるのですが、それが毎日同時刻に大音量で流れる…ノイローゼになってしまいそうですよね。
防災無線のスピーカー近くで生活されている方々はそんな思いをしているのです。

◆そもそも緊急ではない、広報放送

本来、防災無線とは緊急時に放送されるべきものです。
しかし、地域のイベント告知等で使用されるケースがあります。
確かに、地域の交流を深めるためにも広報や周知は大切なことですが、毎日大音量な防災無線の放送を聞いている方からすると、忌々しいものに感じるでしょう。

誤報が、防災無線の信頼性を損なっている

インターネット上では、”国民保護のサイレンが鳴ったけど…”、”緊急地震速報が鳴ったのに…”など、本当に緊急で身の危険を感じる情報をシステムトラブルや、ヒューマンエラーによって誤った情報を伝えてしまうケースがあります。
そういった事案が全国て発生しているために、情報の信頼性が損なわれており迷惑に感じることがあるのでしょう。

国も騒音を把握していて対策を求めている

じつは、平成元年に環境省が”商業宣伝等の拡声機放送に係る騒音の防止対策の推進について”対策を求める報告書が上がっています。

(1) 拡声機放送を行う者の責務

拡声機放送に係る騒音に関する対策の考え方としては、まず第一に、何人も拡声機放送を行うことにより周辺の静穏を害することのないよう努めるべきであり、すべて拡声機放送を行う者及び拡声機放送を行わせる者には静穏を害さないよう努めるべき責務があるとの考え方を前提とする必要がある。

拡声機放送を行うことにより発生する害は、聞く側にとっては拒みようがなく、放送を行う者の一存により音環境が支配される。したがって、規制されるか否かにかかわらず、拡声機放送を行う側の自覚により、拡声機放送は必要な場合にのみ行い、その場合には騒音とならないよう適切な方法で行わなければならないと考えられる。

 

4. 公共目的の拡声機放送に関する留意事項について

前章において、規制の適用を除外すべきと考えられるものの例として、公共の目的で拡声機放送を行う場合を挙げたが、これらについても騒音問題が提起されている場合がある。何人も拡声機放送を行うことにより周辺の静穏を害することのないよう努めるべきであり、すべて拡声機放送を行う者及び拡声機放送を行わせる者には周辺の静穏を害さないよう努めるべき責務があることは既に述べたところであるが、これら公共目的で行う拡声機放送についてもその例外ではない。

また、これを所管する行政部局等においても、騒音の防止に関して必要な措置をとるように努めるべきであろう。

環境行政部局においては公共目的の拡声機放送を行う関係行政部局等に対して、拡声機の適正使用を進める等の騒音の防止対策について協力を求める必要があろう。

環境省_商業宣伝等の拡声機放送に係る騒音の防止対策の推進について

(各都道府県、指定都市騒音主管部局長あて環境庁大気保全局特殊公害課長通知) 拡…

行政へ地道に対策を意見することが大切

”別の土地へ引っ越し”や”行政への対策を求める”ことが有効な手段でしょう。
しかし、引っ越すとなると持ち家の場合や通勤通学の利便性など安易に引っ越すことが出来ないケースが多いと思います。
地道に、地域の行政へ騒音であることと環境省が対策を求めていることをアピールして意見をすることが重要です。
近隣の住民と一緒に訴えることも効果的でしょう。
 

もしもの時に重要な役割を果たす防災無線ですが、日々の生活の邪魔にならないように友好的に運用されることが求められています。

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コメント

    • この騒音が、本当に理解出来ません。
    • 2017年 6月 08日

    行政に手紙を書いて意見しましたが、何も改善しませんでした。
    特にうちはスピーカーが近いので、窓を閉め切り、エアコンや音楽をかけていても
    ガンガン大きく聞こえます。

    こんな被害ははじめてなので、引っ越す時に気が付きませんでしたし、
    家を購入しているので、あらたに引っ越しは無理です。

    プライベートの生活まで学校や職場のように支配され、自由はないと感じます。
    私個人は、精神暴力に感じます。

    日本って、ハラスメントとかに過剰反応なわりには、精神暴力に気がつかない人が
    多過ぎです。

    自分で考えず、人と一緒にブームのように騒ぐだけで意見を持たないから、
    こういう問題も解決されない。
    暴力の定義も、一人一人が考えないからわかっていない。

    精神暴力がありふれているから、麻痺している人が多いし、
    すぐ洗脳もされる。

    自分で考えず、何でも従わなければならないと考える。

    この音楽やアナウンスが文化だと勘違いしていたり、
    時計代わりにしている人までいる。

    しまいには、ネット上で見ると、この騒音を迷惑に思っている人のコメント
    にまで精神的に病んでるのでは?とかバッシングしている人も多い。
    暴力に気が付かず、病んでるのはどっち?と思います。
    ネット上では、病んでる人は多いんでしょうけど。

    各人が時計を見ればいい話だし、私はこの音楽やアナウンスは、
    犯罪を減らし、役人が次の選挙にも当選するためにされているか、
    もしくは支配欲を満たすためのものとしか、
    私には思えません。
    市民の生活を考えたものでは絶対ない。

    大きい音という意味でも騒音なのですが、聞きたくもない音楽、声を
    毎日聞かされる、というのがどれくらい苦痛か、何故わからない国なんでしょう?

    例えば、毎日通勤途中で大音量で音楽を聴いている人と毎日電車に乗らなければ
    ならないとします。

    それでキレない人っているんでしょうか?
    それを、通勤の途中でさえ迷惑なのに、
    リラックスしたり幸せを作る家庭の中で行われるわけです。

    どんなに自分が素晴らしい1日を送ったとしても、これらの音で夕方に
    毎日毎日破壊されるわけです。

    せめてかなり妥協しても
    防災アナウンスの点検なら、ビッグベンの音のようなものを1日1回、2~3回で十分だと思うんです。

    子供を災害から守りましょう、のアナウンスも、1週間に1回でも十分認識出来ると思います。

    声もそうですけど、音楽というのは、人の心や人生を大きく変えるものです。

    音楽で非行が直る人もいますし、音楽で心の傷から立ち直る人も、
    車椅子の人が歩けるようになることもあります。

    精神暴力が大好きで、人の心を無くしていることが多く、
    芸術も理解出来ないことはよく言われる日本ですが、
    それでも音楽の自由や家庭の生活の自由まで人から奪わないで欲しいです。

    私は日本人ですが、日本は、
    音楽的にもそうですし、騒音というのは人権侵害だということも
    理解していない国であることを、私は全く理解出来ません。

    • 和哉
    • 2018年 7月 18日

    上の方の意見と同意見です。
    そもそも、防災無線は普通の状態でも気をつけないときちんと聞こえないですし強めの雨が降っていたりすればもう完全に聞きとれません。
    そんな時代遅れのシステムなものだから聞こえるようにするにはある程度大きな音にしなくてはいけません。
    この時点で何故希望者の家の中に設置できる物を配らないのかと言いたくなります。
    予算の関係上とか色んな理由があるのでしょうが、市民の静かな暮らしを侵害するほどの理由だとは到底思えません。
    そして、何より暮らしていて辛いのはこういった意見がマイノリティー扱いであるという事です。
    自分もネット上でこの問題について書いた事があるのですが、みんなの為にやっている事なんだから非難するなんておかしい的な事を散々書かれました。
    一体いつまで刑務所のようなずけずけと土足で市民の生活に無理やり干渉してくるような状況が続くのでしょう。
    1人でもこのおかしな状況に気付いてくれる事を祈るばかりです。

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