大雨の後は、”土砂災害”に注意!
土砂災害大国、日本
日本は年間約1,000件もの土砂災害が報告されている、世界でも有数の土砂災害の多い国です。
その原因は、地形や地質・気象などの自然条件にあります。
国土の約60%が山である日本では、平地がせまく山の斜面や谷の出口など、土砂災害の起こりやすい場所が多くあります。
その上、平地が少ないために土砂災害の起こりやすい場所に住宅が密集していたりするため、土砂災害で大きな被害が出る一因です。
そこで、身近に起こるかも知れない土砂災害について学んでいきましょう。
土砂災害ってなに?
山やがけの土砂が崩れたり、その土砂が雨水や川の水と混ざり流れることによって家や道路や田畑が土砂で埋まったり、人命が奪われたりする災害を土砂災害とよびます。
土砂災害は、発生のしくみや土砂の動き方から、大きく”土石流”、”地すべり”、”がけくずれ”の3つに分類します。
多くは、大雨や雪どけ、火山活動や地震などがきっかけで発生します。
土石流
土石流とは、山や谷の土砂が大雨などでくずれ、水とまじって泥になり、勢いよく麓に向かって流れてく現象です。
土石流は大雨が原因で起こることが多いですが、雪国では雪どけ水が原因で起こることもあります。
また、地震や地すべりで崩れた土砂がダムのように川を塞いでしまい、そのダムが急に崩れることで起きる土石流もあります。
日本では梅雨や台風の時期に毎年のようにどこかで土石流が発生し、大きな被害が出ています。
土石流が発生しやすい河川
土石流が起きやすいのは、上流で急勾配の谷川で崩れやすい土砂がたくさんある場所です。
普段、水が流れていない谷でも、大雨が降ると流れの急な川になることがあります。
谷の出口に大きな石があるところは、前に何度か土石流が起こっていることが考えられますので要注意です。
土石流の流れ方
土石流は、大きな岩を先頭に、町の中を走る自動車と同じくらいのスピード(時速40~50キロメートル)で、谷をけずりながら流れ下ります。通り道にある大きな岩や大木をまきこんで大きくなり、谷の出口に来るとおうぎ形に広がります。やがて、こうばいがゆるやかになると止まりますが、土石流が止まったところには、たくさんの岩や土砂が積もります。
土石流から逃れるには
土石流はスピードが速いため、流れの方向に逃げてしまうと土石流に追いつかれてしまいます。
すぐに川から離れて、高いところににげましましょう。
崖崩れ
急勾配な斜面が突然崩れ落ちる現象です。
雨水や雪どけ水が大量に染み込むことが原因で発生したり、地震によっても発生します。
崖崩れは、地すべりのように地面が少しずつすべり落ちるのではなく、一気に大量の土がくずれ落ちてくるため、崖の下にいる人は避難することが困難です。
このため、人の命が失われることの多い自然災害です。
崖崩れになりやすい特徴
5メートル以上の高さで、かたむきが30度以上の急な崖は要注意です。
また、崖の下よりも上のほうが張り出している崖は、雨が降らなくても地震や強い風などで崩れる恐れがあります。
ひびが入っていたり表面に大きな石が飛び出しているがけ、湧き水が多い崖も危険です。
地滑り
地滑りは、なだらかな斜面が、広い範囲にわたってすべり落ちていく現象です。
家や田畑や生えている木などもいっしょに、地面が大きなかたまりのまま動きます。
地すべりが動く速さは、ふつうは1日に数ミリていどと目に見えないほどですが、一気に数メートルも動くこともあります。
また、1つの場所で何十年にもわたって少しずつ続く地すべりもあれば、地震がきっかけで突然発生する地すべりもあります。
地すべりは広範囲に及ぶことが多く、一度に大きな被害を受けてしまいます。
また、地すべりですべり落ちた土砂が川をせき止めると、上流に水が溜まって土砂を一気に押し流して、土石流が発生したりすることもあります。
台風のシーズンがやってまいりました。
大雨や強風の後は地盤が緩んで、大変危険な状態となっています。
地形の起伏が激しい地域にお住まいの方は、十分に警戒してお過ごしください。
出典元:イラスト提供;NPO法人 土砂災害防止広報センター
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