海外でも注目される効果的な体勢
俗に言う水難災害に関して覚えておきたい事があります。
海水浴の最中に沖に流されたり、思わぬ船舶事故に遭遇して大海原に投げ出された際に取る体勢についてです。
そう言った際に生存率を大きくあげるのが「浮いて待て」と言う事です。
読んで字の如く、静かに浮いた状態で助けが来るのを待つことがベストとされています。
もしこの様な事故に遭遇した場合は先ずパニックに陥る事が想定されます。
水深が深い部分で足がつかないと言う恐怖もありますし、いつ来るかも分からない助けを待つのは苦しい物があります。
慌てふためいて手足をバタバタしてしまいそうですが、これは逆効果です。
この様に水難事故や遭難の際には仰向けで顔だけ海面に出し、横になった状態で静かにしている状態がベストだと覚えておきましょう。
この体制は海外でも注目されていて、そのままの読みでUITEMATEと呼ばれます。
沈んで行くのを避ける
人間は激しい運動をすると筋肉に乳酸が貯まっていきます。
それに伴い海では体が沈んで行くとも言われています。
イメージは付くかと思いますが、肩より上の部分を海面上に出して大声で助けを呼ぶ行為も似た様に沈んで行きます。
浮力や着衣だったらと条件にもよると思いますが、水中で完全に立った時と同じ姿勢を取るのは立ち泳ぎをする必要があり、これは体力を消耗します。
結果的に立ち泳ぎでバタバタするよりも長時間安定した姿勢を取れる事と、体力の低下を下げるのにただ浮いて待つと言う行為は理に適っていると言えますね。
着衣時の方が安定する「浮いて待て」
先ほどから説明しているこの体勢に関しては着衣したままの方が安定すると言われています。
二つの大きな要因は「体温が下がるのを防ぐ」と言う事と、「衣類の浮力も使用できる」と言う事です。
一見すると水の中で着衣のままと言うのは身動きが取りづらく、水分を吸って重くなりそうな感じがしますが、ただ浮いて救助を待つとなるとメリットが多いと言う事になります。
靴も履いたままであればそのままにしておきましょう。
最近の靴は軽量化もそうですが、浮力が強い物が多いです。この様な有事の際にも履いている事で有利になる事が多いので、脱がない様にしてください。
他にもペットボトルや発泡スチロールなどが身近にあればそれは離さない様にしましょう。
思ったよりも大きな浮力を持っている物です。例え大きな物でなくとも、長時間遭難した際はある事で体力の温存がはかれます。
とにかく一番危険なのは泳いでしまう事です。
よほど近くに陸地が見えている状態でも無い限り泳ぐと言う行為は控えるようにした方が無難です。
浮いて待ての姿勢
ここまでで溺れた際にただ浮いて待つと言う事が効果を発揮すると説明してきましたが、まとめも兼ねて具体的な姿勢について書いてみます。
大前提で鼻と口は常に水面よりも上に出ている必要があるので、仰向けになった状態で少し顎を引いた感じで浮きます。
手足は大の字の姿勢を取って下さい。
もしペットボトルなどの浮き具の代わりになる物があるのなら手は大の字でなくそれらを胸の上に乗せて抑える姿勢を取りましょう。
先ほども書いた通り、浮力の強い靴を履いていればそれだけで大きな浮き具の代わりになりますから、肩幅より少し広めに開いた足で全身のバランスを取る様に意識しましょう。
この姿勢は世界各国の水難救助講習で披露されるなど改めて注目が集まっている姿勢です。
海で事故に遭遇した際には活用出来る内容だと思いますので、覚えておいて損は無いと思います。