伊方原発での総合防災訓練実施
行政と愛媛県が率先して行われた伊方原発の総合防災訓練が8日から2日間に渡って行われました。
伊方原発が設置されている佐田岬半島から、海を隔てた大分県に船舶を使用して民間人を避難させる内容です。
愛媛県だけでなく大分県、山口県も含むのべ1万5000人近くの人が参加したようです。
この防災訓練の背景にあるのは、先日伊方原発の再稼働に関して愛媛県知事が合意を出したと言う事です。
今も再稼働に向けての準備は進んでいるようですが、伊方原発の規模は川内原発に次いで大きなものとなる見通しです。
伊方原発が設置されている所
佐田岬半島は元々細長い形状をした土地です。
ここの付け根にあたる部分に伊方原発は位置していますが、仮に原発事故が起こると住民約5千人が行き場を失う事になります。
主に陸路での避難が見込めない以上階上からの救援や避難に頼るしかなく、これによって想定される住民の孤立を防止する狙いがあります。
実際の総合防災訓練の中では、汚染検査を受けた後に順次フェリーと海自艦に分乗して避難すると言う内容でした。
大分県に上陸してからはバスで避難場所まで移動すしたそうです。
ここまでが一連の伊方原発の総合防災訓練になりますが、一度でも避難するルートを体験しておくことは有事の際に非常に効力を発揮します。
その他伊方原発から半径30キロ圏内にある各学校や幼稚園でも、退避するための防災訓練が行われました。
行政が率先して総合防災に動くのは良い事だと思います。
今回このニュースが注目されたわけは、今まで原発に対する防災訓練と言うのはあまり存在しなかったからではないでしょうか。
他の自然災害などと違い、原発事故は規模も危険度も大きく、人の手に負えない部分が多々あることから細部まで避難訓練の指導をするのが難しかったんです。
3.11の震災を受けて、原発にも負荷がかかると何かしら被害が出る事は想定できます。
地震、火災に代表される避難防災訓練ですが今後は対原発の訓練もフロー化されていくと思いました。
現在日本では50基程の原発があるようですが、いつ大きな地震によって事故、被害が出るかは分かりません。
ひょっとしたらあらかじめ想定されている事故の内容とは違った物になるかもしれませんし、被害の規模も大きい物になるかもしれません。
あらかじめ防災訓練や避難経路の確認、体験を行っておくのは万が一の際には有効なんだと思います。