ナイトクラブで発生した未曾有の大火災
ブラジルのサンタマリアにあるナイトクラブ「キス」での事、2013年1月27日深夜2時頃に発生した大火災に関してです。
被害規模が非常に大きく、死者239人、負傷者169人を出したと言われています。
この規模の事故が日本では近年起きていない様に思いますが、過去にも事例は無いかもしれませんね。
それだけ当時ニュースにもなったこの火災は、最終的に政府が遺族の支援も行って行く事となりました。
ちなみに当時首脳会談で海外に居たブラジル大統領は、急遽本国に戻り現場に向かっています。
その後涙を流しつつ記者会見した事も話題になりました。
ナイトクラブでの大火災はこうして起こった
火災の原因と見られているのが花火です。
ナイトクラブの中で、ステージ上のバンドメンバーが花火を使用した所それが天井に引火し、一気に燃え広がったと見られていますね。
似たような火災原因では過去にも中国やアルゼンチンでも起きています。
我々が思っている以上に屋内と花火の相性は良くないと言った所でしょうか。
わざわざ屋内を選んで花火をする人は極少だと思いますが、こうしたイベント会場では大事故に繫がる可能性が高いと言う事は覚えておきましょう。
事件が起きたブラジルのこのナイトクラブでは、天井に防音措置のために特殊な素材が使用されていました。
今日ではそれはポリウレタンフォームと見られていますが、これが燃焼する事により発生するシアン化ガスが被害者拡大に繫がったと言われています。
避難経路の有無について
建物内での火災事故は、洋の東西を問わず出口の有無などが槍玉に挙げられます。
一般的に火災事故で被害が大きくなる要因の一つには、複数ある内の出口が閉鎖していたと言う事象があります。
もしくは扉付近に物が乱立していて開けられないと言った事もあり、現在の消防法でも防火扉を含むドア近辺のチェックが厳しいのはここが起因していますね。
ではこの日ブラジルのナイトクラブ「キス」ではどうだったと言うと、一説にそもそもの非常口の数の少なさがあるようです。
細かい所では非常灯の不備や、ハコの本来の収容キャパを上回った人数が当日来ていたと言う事も言われています。
犠牲者の多くは正面の出入り口付近のトイレで遺体となって発見されていますが、これも出口と誤って大量の人が一斉にトイレに流れ込み、そこでガス中毒により意識を失ったようです。
人が集まる屋内での火災被害を抑えるには
防災と言う観点から見ると、やはりこうした屋内の建物の中では先ず非常口の不備やそれに付随する設備の不備があっては被害が拡大すると言う事です。
この火災事故も、正面の出口意外にも効率良く外に出られるところがあれば、ここまで死者は出なかったかもしれません。
この部分は経営者の不備として片づけられる事が多いですが、事前に整備がしっかりさえしていれば被害を抑えられると言う事の象徴なのかもしれません。
花火を使用したバンドメンバーも、違法な火気使用と言う事で事件後立件されていたりします。
来場した個人レベルの防災となると、事前に建物内の非常口の確認を行っておく事と、そこに至る避難経路を調べておく事ですね。
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