大川小の失った子ども達の命を教訓に
東日本大震災で宮城県石巻市の大川小学校では74人もの子供達が津波に飲まれて亡くなりました。
学校のそばには津波を避けられる高台(裏山)があったのですが、大川小の児童は避難できずに、教師の指示に従い地震発生から津波到来まで、51分間校庭にいました。
その結果全校生徒の約7割が犠牲になり、未曾有の大惨事となってしまいました。
2016年遺族側が勝訴
文部科学省は2013~2014年にかけて委員会を作りこのことを話合ってきました。
結果は先生達が避難を決めるのが遅かったことや、避難先を川の近くにしたことが原因とまとめられましたが、避難が遅れたはっきりとした理由は判明しませんでした。
遺族からはすでに判明している事柄ばかりで真新しい情報がないと不満が噴出したのです。
2014年3月には、ついに犠牲となった児童23人の遺族が宮城県と石巻市に対し総額23億円の損害賠償を求める民事訴訟を仙台地方裁判所に起こしました。
2016年10月、仙台地方裁判番所は「津波の危険が予測でき、 近くの裏山に避難すべきだったのに、別の場所に移動したのは過失がある」と指摘して学校側の過失を認定し、23人の遺族に計14億円の支払いを石巻氏と宮城県に命じました。
最終的に児童を裏山に避難しなかったのは教員の過失と認められたのです。
防災とは「ただいま」を言うこと
大川小の出来事を今もなお伝え続けている佐藤敏郎さんの記事を見ました。
佐藤さんも当時小学6年生だった次女のみずほさんを津波で失っています。
佐藤さんは石巻を訪れる人を案内したり、全国を回り講演を行っている方で、大川小学校の出来事を忘れさせまいと努力されている方です。
佐藤さんの言葉で「防災とは『ただいま』を言うことです。あの日、2万人の人が言えなかった言葉です。『いってきます』と『ただいま』はセットで言ってほしい」とあります。
佐藤さんの言葉を聞いて何気なくかわす毎日のやり取りに大変重みを感じました。私たちが日常でかわす「ただいま」のやりとりは決して普通のことではなく、そこに娘が元気で生きてくれている証であると感じました。
「今日も無事に帰ってきてくれてありがとう」とまで思えます。
何が何でも子供を守りたいというのが親の正直な気持ちだと思うんです。大川小の遺族も強くそう思っていたはずです。
信じきっていたはずの小学校で子供を失ってしまいました。
では私たちは何ができるのでしょう?
子どもを通わせている小学校や保育園に対してどんな防災対策を取っているか確認する
大川小にも防災マニュアルや防災訓練がありましたが、実際に教職員には周知徹底できていなかったそうです。
大川小の話を聞くと、実際に自分の子供を通わせている小学校は大丈夫か不安になりますよね。
学校に確認すべきポイントをまとめておきます。
①学校に防災マニュアルはあるのか
②親が数日間帰宅できない状況になったら、保護者のお迎えまでどのように子供を見てくれるのか
③小さい子供のいる共働きの先生が何人いて、いざというときに常時対応できる先生の人数は
④行程に出る訓練だけでなく、広域避難芭蕉に向かう訓練は取り入れているか
もし学校や保育園の防災対策が不十分な場合は学校側に危機意識を持ってもらい、万全な対策を立ててもらうように働きかける必要があります。
個人で働きかけても対応してもらえない場合は、PTAを通して働きかけるのも良いでしょう。
子供の命に係わることなので、遠慮をする必要は全くありません。
また学校の管理下にないような登下校の途中に巨大地震が発生したら、子供は自分の判断で動く必要があります。
災害時にどのような行動を取ればいいのか、迷うことなく行動できるように日頃から子供と約束事を決めたり、しっかり話をしておきましょう。
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