到来が懸念される首都直下型地震
主に首都圏を中心とした大型の地震は200年の周期に沿って発生していると言うデータがあります。
かねてからその到来時期が心配される首都直下型地震ですが、実際に発生した場合具体的にどの様な被害が想定されるでしょうか。
熊本地震からちょうど1ヶ月経過しましたが、なにより最大震度7を観測し、しかもそれが短いスパンで二度起こった事が衝撃です。
その時と同等の規模の地震が首都圏で起こる可能性が高いと言う事です。
これは、事前の防災準備を進めておく事とは別に、どの様な惨状になるかあらかじめ想定しておく方が良いと思います。
各路線は脱線する可能性が高い
首都圏をイメージする際に、まずはその複雑とも言える電車路線が存在します。
本数、線路共に数多く存在し、それこそ都内は縦横無尽に走っていると言えます。
地震の規模で考えた場合、仮に震度7が発生した際には90%以上の電車が脱線すると言われています。
東京がこの規模の地震を最後に経験したのは大正の「関東大震災」です。
もちろんその当時は今の様に複雑に電車が走っていると言う状況ではありませんでしたから、ある意味未知の被害と言えるでしょう。
3.11東日本大震災、新潟中越地震、熊本地震とそのどれと比較しても交通網がより複雑なのが首都圏です。
ちょうど電車に乗り合わせている時に大きな地震が発生したら、怪我をする可能性も非常に高いです。
電車の転倒と共に、多数の人が一定の方向に大きく移動させられることが想定されますから、先ずは出来るだけ身を屈めてポールや壁に激突しないように気を付けましょう。
揺れが収まり、行動出来る様になった後に非常レバーを空ける等して、屋外に出る事を考えましょう。
地下鉄に乗車していた場合の注意点
より被害が深刻だと言われているのが地下鉄です。
これは、地上を走る電車と比較して、地下と言う限定的な空間が大きく影響します。
先ず電気が止まってしまうと、電車はもちろん停まってしまいます。
駅で停まった場合はまだ良いですが、完全に地下で止まってしまった場合地上に出るのは困難になるでしょう。
一応予備電源も作動するように出来ていますが、現実問題40分ほどしかもたないと言われています。
又、普段何気なく使用している地下鉄でも実は電車の往来自体が空気の入れ替えを行って居ると言う事実があります。
震災によって電車の行き来がストップしてしまうと、地下の空気事情は一気に粗悪な物になり、場合によっては二酸化炭素中毒も懸念される事態になります。
この場合急いで地上で出た方が良いですが、等しく地上でもパニックは起こっていると想定できますから、十分気を付けた上で様子を伺いましょう。
都心部では火災旋風に注意を
大都市で火災が発生した場合、怖いのは火災旋風です。
これは、吹き上がった炎が吹き付ける風や気圧と作用し、炎の竜巻を形成する自然現象です。
その威力はすさまじく、高温の竜巻が更に被害を大きくします。
近づく事はもちろん生命の危機に直結しますから、複数個所で火災が発生した場合は注意が必要になります。
これは先の関東大震災の際にも確認された現象で、やはりその時も大多数の人が命を落とす事態になっています。
特にビルが群立している所で発生しやすいとも見られ、大事な事は火災が発生した時点で遠くの開けた場所まで避難するようにしましょう。
更に気を付けたいのは、遠く離れたと思っていても最終的に火災旋風が移動してくるケースがあります。
移動速度自体がかなり速いので、余裕を持って最初にかり遠くまで避難する様にした方が無難と言えます。
今回ここで紹介した事象はあくまで全体の内の一部だと思って下さい。
人口が多い首都圏ですから、実際は更に多くの事柄が発生すると考えられます。
何時どこで大きな地震が発生するのかは明言出来ませんが、甚大な被害をもたらす震災と覚えておきましょう。