避難する時は必ずブレーカーを落として
震災から22年を迎えた阪神淡路大震災では、震度7の激しい地震に襲われた地域を中心に多くの家屋が倒壊し、死傷者が多数発生しました。
さらに、家屋倒壊の後、地震の建物被害の大きかった地域では多くの火災が同時発生するという事態が起き、初期に消せなかった火災がいくつも大規模な火災に発展しました。阪神淡路大震災による直接の死亡者5,515人の約1割が火災による死亡者と言われています。
阪神淡路大震災の最大の教訓の1つは、防災上ぜい弱な木造密着市街地がある限り、消防力を上回る同時多発火災が発生すれば大規模な炎症火災が起きてしまうという厳しい事実でした。
大地震が来たらまずは身の安全を確保を
まず知っておくべきことは「ぐらっときたら、火を消すよりも、身を守ることを優先する」と心得ておきましょう。
地震で一番気を付けなければならないのは火災です。
昔は関東大震災で大地震の後に火災が発生して被害が大きくなり、その教訓から「ぐらっときたら、まず火を消そう」と言われてきました。
しかし現在は違います。都市ガスもプロパンガスも揺れを感知すると、制御装置が働き自動停止するようになりました。機械のほうで地震対策をしてくれるのです。
地震のあとに慌てて火を消そうとして、鍋をひっくり返してやけどを負うというケースがあります。とにかく、自分の身を守ることを最優先にして行動してください。
通電火災に注意
地震の火災で気を付けるべきなのは、「通電火災」です。つまり地震のあと、復旧の際に電気が通ったことによる火災で、阪神淡路大震災の火災の多くがこの通電火災だったと言われています。
例えば神戸市では、震災当日に100件、翌日に14件、2日後に15件、3日後に8件、4日後に5件、5日後に3件、6日後に7件、7日後に3件、8日後に9件、9日後に9件の火事が発生しました。(消防博物館調べ)
原因はおもに落下したり、重いものが倒れてきたりして壊れてしまった電気製品にありました。大きな地震が起こると停電します。その後、少しずつ復旧して電気が通るようになると。コードのなかの断線したところがショートして火花が出ます。そういうことが起こる危険性が高いのです。
震災後数日経ってから突然、あちことで火災が発生したのはそのためです。
通電火災を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。それは避難するときは必ずブレーカーを落とすことです。その後、家に戻って電気が通ったら、断線したところがないかをチェックしてから、ブレーカーを戻すようにしましょう。
参照元:『緊急!池上彰と考える巨大地震』(池上彰著)
写真提供:神戸市
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