300年間の沈黙 専門家は口をそろえ「いつ噴火してもおかしくない」
日本各地で火山活動が活発化する中、「日本のシンボル」富士山の噴火が懸念されています。過去には1700年代初頭に発生した「宝永の大噴火」から300年間沈黙を続けていますが、専門家らは「いつ噴火してもおかしくない」と口をそろえて言います。
噴火した場合の被害は首都圏にも及ぶとみられ、町は空から降り注ぐ「火山灰」に包まれるそうです。火山灰は積もる量が数ミリ単位であっても、様々な影響が出る可能性があり、北関東など遠いエリアでも油断はできない模様です。
富士山が噴火したら??
引用元:http://www.nhk.or.jp/sonae/column/20131014.html
宝永噴火では火砕流も溶岩流も出ず、ひたすら火山灰、火山れきを噴き上げる爆発的な噴火が約2週間続きました。このような噴火が現在に起きたらどうなるでしょう。
内閣府の地図を使って現代の地図上に宝永噴火の火山灰と火山れきが堆積した厚さ分布を重ねてみると、東京都内では数センチ、横浜あたりでは10数センチの厚さに火山灰が降り積もることがわかります。
・東海道新幹線の運行停止
熱海~東京間は数センチから20センチの厚さの火山灰堆積のため運行停止になるでしょう。
・東名高速道路の通行止め
御殿場付近は1メートル以上の厚さまで火山れきでふさがれてしまうでしょう。
・首都高速道路の通行止め
坂道では火山灰は数ミリでも積もると、車がスリップして動けなくなることがわかっています。火山灰が数ミリでも積もった時点で、首都高速へ上るためのランプでスリップのため大渋滞が起こり、都内の交通の大混乱が予想されます。
・飛行機の運休
噴火によって火山灰が大気中を舞っている限り、ジェットエンジンが大気中の火山灰を吸い込んでエンジンが停止する恐れがあるため飛行機は運行できません。
また空港に火山灰が少しでも残っていると、飛行機の離発着はできないので、噴火が終了しても、火山灰を完全に除去されるまで全ての飛行機が運航できない可能性があります。
・広域に停電が起こる
送電線に湿った火山灰が降り積もって、その重みで送電線が断線したり、送電塔の絶縁が悪くなってショートが起こり停電を引き起こすことが考えられます。
・発電所の停止
火力発電所が京浜・京葉の沿岸部に集中していて、細かい火山灰がフィルターに詰まって発電効率を低下させる可能性あります。
・土石流が発生
静岡県から神奈川県にかけての山地に降り積もった火山灰を除去できずに、噴火終了後も雨が降るたびに土石流が各地で同時多発し被害を受ける可能性があります。
まとめ
様々なインフラが発達した現代都市が、宝永噴火とおなじような火山灰被害に遭遇した場合、とても大変なことになることは予想されます。文明が発達すればするほど、自然災害に対して社会は脆弱になります。しかもここまでの大噴火が近代都市のそばで起こった例は世界でもありません。あらゆる可能性に備えて対策を考えておくことがとても大切です。
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