東日本大震災では帰宅困難者続出
2011年3月11日首都圏では帰宅困難者が続出しました。
歩いて帰宅する人、遠方で帰宅を断念した人、企業でオフィスに待機と命じられて帰宅できなかった人…
そんな中、企業の防災担当が「やっておけばよかった…」と思ったことと、「やっててよかった!」と思った取り組みについてご紹介します。
◆役にったった備え
社内SNS
社内コミュニケーションのために使用していたSNSが安否確認に大活躍。
地震発生から2時間後には首都圏社員全員の居場所が確認できた例があるそうです。
TV会議
被災していない地域の支社等を本部として情報を得ながら、都度協議のうえ判断できたそうです。
フリーアドレステーブル
デスク下に何も無く、境も無いので、多人数での避難がスムーズだったそうです。
窓ガラス近くに席があるメンバーは、走ってフリー席へ)
また、自身のデスク下に収納スペースをつくっているために地震の際にデスクの下へ逃げ込めなかったケースがあったそうです。
毛布や簡易布団
帰宅困難者や防災担当者が会社へ泊まるためにあると便利だったようです。
ただ、かさばるために保管スペースが課題。
自転車
子供を保育園に預けていたり、小学校へ一刻も早く迎えに行きたい人のために役だったそうです。
普段は営業や外出の移動手段として役立ちます。
防災用品の事前配布
一人分、もしくは部署やチームごとに防災用品を配布しておいて各自で所持しておいてもらうと、災害発生時の対応に追われる中、備蓄配布の手間が省けたようです。
ただ、一括で管理することが難しいために仕組みづくりが重要です。
◆やっておけばよかった備え
持ち運びやすい非常持ち出し袋
大きすぎる非常用持ち出し袋などは邪魔になるために、嫌煙されがちだったそうです。
柔軟な帰宅許可
帰宅途中の余震によるリスクがあるために、極力帰らないという判断をされた企業が多かったようです。
しかし、明るいうちに帰るという判断をされた企業もありました。
子供や、介護が必要な家族がいる場合は帰宅支援策を講じて許可を出す企業が多かったそうです。
柔軟な帰宅支援と許可が求められています。
靴や手袋
スーツやオフィスカジュアルの企業では、女性はヒールを、男性は革靴のローファーを履いています。
どちらも、長距離を歩くのには向いていないため、スニーカーがあると便利です。
また、備蓄をまとめて運んだり、倒れた棚などを元に戻す作業で軍手などの手袋があると便利です。
エレベーター閉じ込め
エレベーターに閉じ込められてしまった際に、エレベーター内では備蓄が無く困ったケースがあったそうです。
エレベーターの定員数を考慮して備蓄を入れた非常ボックスのようなものがあると、多少不安から解放されるかもしれません。
持病の薬
常に薬を飲む必要がある方にむけて、常に多めに薬を準備しておくように働きかけましょう。
薬がなく、苦しんだ方もいたそうです。
保管場所
地下倉庫に備蓄品がある上、地震の影響でエレベーターが停止してビル内を階段で移動しなくてはならなくなってしまったためにかなりの労力を割いた企業があったそうです。
ある程度従業員数の多い企業は、事前に備蓄を配布しておくべきなのでしょう。
備蓄の賞味期限
いざ、備蓄を開いたら賞味期限が切れていた…!なんてこともあったそうです。
備蓄の期限を常に管理する必要がありますね。
帰宅支援マップ
いざ、歩いて帰ろうと思っても道がわからない人が多かったそうです。
帰宅支援を行う地図を配布したり、事前に地図サービスで確認する機会を設けるのも良いかもしれませんね。
いつ襲い来るかわからない災害に備えて、個人レベルだけではなく企業にも柔軟な対応や対策が求められています。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。