首都東京を襲う大災害
首都直下型地震とは南関東陸域の直下を震源とする地震であり、歴史的に見て繰り返し発生しているマグニチュード7クラスの巨大地震のことです。
繰り返し発生しているものの、関東地域の地質構造の複雑さから、その発生メカニズムや発生周期の研究は、南海トラフ巨大地震などに比べて明らかにされていない部分が多く、今後より詳細な研究が求められています。
俗に関東大震災と呼ばれる大正時代1923年に発生した地震も首都直下型地震の一種であると考えられています。
関東大震災では10万人を超える人々が犠牲になるとともに、近代化した首都のライフラインに甚大な被害をもたらしました。
首都直下型地震はいつ、どのように起こるのか?
日本列島周辺には、ユーラシアプレート、北アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートという4つのプレートが分布し、関東地域の地下はちょうどこの4つのプレートの境界に位置します。
これらの4つのプレートは、それぞれが別々の方向に動いているため、その境界部である関東地域の地下には常に様々な方向から力が加えられている状態となっています。
このような状態から、関東地域は非常に不安定な地質構造であると言えます。首都直下型地震がいつ発生するのかについては様々な研究がなされてはいるものの、プレートの分布や構造から考えるといつ地震が発生してもおかしくない状況であると理解するのが適切です。
これに加えて、関東地方は富士山をはじめとする火山から噴出した、関東ロームと呼ばれる柔らかい堆積物に厚く覆われています。
柔らかい堆積物は地震の揺れを増幅させるという特徴を持っているため、関東ローム層が首都直下型地震の被害を大きくする原因になると考えられます。
東日本大震災のような海溝型の地震では、揺れや被害が広範囲に及ぶという特徴がありますが、首都直下型地震においては関東地方特有の地質的な特徴によって、地震のゆれが局所的に大きな被害をもたらすと考えられています。
大混乱を避けるための対策を
2011年の東日本大震災では、交通機関が全て麻痺し、多くの帰宅難民が夜通し家を目指して歩くという現象を引き起こしました。
また、地震後には食料品などの買い占めが発生し、生鮮食品をはじめとする生活必需品が店頭から姿を消すという混乱が起きました。
首都直下型地震が発生すれば、間違いなく交通機関は麻痺し、電気やガス、水道などのライフラインも全てストップすると考えておくべきです。
そのため、自宅にはあらかじめ飲料水や最低限の非常食などを備えておく必要があります。
また、外出中に被災した時に、帰宅難民となって自宅を目指す行為は火災などの二次災害に巻き込まれる危険があるため絶対に避けるべきです。速やかに最寄りの避難所に避難し、事態が落ち着くのを待たなければなりません。
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